どうも、ばんぞうです。
前回、私のキャンピングカーに搭載しているサブバッテリーの放電について実験してみましたが、今回、サブバッテリーそのものの仕組みや特性について初心者向けに解説します。
キャンピングカーの快適さを左右する重要な部品ですが、完全に理解できている人が少ない部品でもあります。
とにかくわかりやすくすることを心がけたので、キャンピングカー購入前の方でも理解していただけると思います。
ディープサイクルバッテリーの特徴は?
現在、サブバッテリーとして最も多く使われているのが、ディープサイクルバッテリーです。
一部の車種には携帯電話と同じリチウムイオンバッテリーが使われていますが、特性が違うので、ここから先は基本的に鉛ディープサイクルバッテリーの話です。
もちろん、車種によって違いはありますが、1つ105Ahのバッテリーがバンコンで2つ、キャブコンで3つくらいついています。
いきなり、Ah(アンペアアワー)という単位が出てきて難しそうな感じがしますが、Ahというのは平たくいうと、バッテリーの容量です。
この数値が大きいほど、バッテリーにため込める電気の量は多くなります。
ここまではOKですね。
ちょっとずつ念を押しているのは、順を追って理解していかないとややこしくなるからです。
容量とはいえ電気です。実体があり目に見えるものとは違います。
実体があるものといえば、たとえば水です。105リットル容器に入った水があるとします。これをコップ1杯ずつ飲んでも、お風呂を貯めるのに一気に使っても、使える量は105リットル。当たり前ですね。
でも、バッテリーの電気はちがいます。同じ105Ahでも、ゆっくり使えばたくさん使えて、一気に使うとちょっとしか使えないのです。
例えとして適切かは分かりませんが、ドラクエのMPみたいなものです。
魔法の威力が強くなれば、MPの消費量が爆発的に増えるような感じです。
つまり、出し方によってバッテリーの容量が変わるのです。
これでは不便なので、鉛バッテリーの容量を表示するときは放電の条件を併記します。
バッテリーに表示している容量(Ah)は〇時間で使い切ったときの量ですよ〜ということを書いています。
通常キャンピングカーのサブバッテリーには「20HR」という表記があります。
105Ah 20HRのサブバッテリーなら、電気を少し(5.25A)ずつ20時間かけて使えば、既定の容量である105Ah分使えるという意味です。
もし、家庭用の電化製品などで大量に電気を使うと、約半分の50Ah分しか使えません。この現象を専門的には容量低減と呼びます。
ちなみに、ポータブルバッテリーでよく使われているリチウムイオン電池の場合、その特性上、容量低減はあまり起こりません。
鉛バッテリー特有の現象と覚えておいて大丈夫です。まずはこういう特性があると覚えておいてください。
「サブバッテリーの容量はかなり大味」
サブバッテリー充電の基礎知識
充電式の電池は使い方、つまり充電と放電の仕方によって寿命が変わってきます。
スマホのバッテリーは、満充電から残量ゼロ付近まで使って、充電回数を減らす方が長持ちするとかって聞いたことがありませんか?
キャンピングカーのサブバッテリーの場合、上記のような使い方をすると急激に寿命が縮まります。
まめに充電して常に残量100%付近にしておく方が、寿命は長くなります。減ったまま長く置いておくと、サルフェーションといって、電極に鉛の結晶がついて劣化してしまうのです。
常に満充電にしておいた方が良いのですが、過充電もまたバッテリーを急激に劣化させます。
だから、サブバッテリーを長く使おうと思うと、細かく充電管理をしなくてはいけないのです。
これから、各充電方法について説明しますが、その前にバッテリー充電の超基礎知識です。
1.バッテリーを充電するということは電極に電圧(単位はV)をかけるということ
2.電気は電圧の高い方から低い方に移動する
この2点は必ず押さえてください。
電気を使ったあとの空バッテリーと、充電したての満タンのバッテリーがあるとします。
両者を線でつなぐと、誰が命令するわけでもなく、満タンのバッテリーから空バッテリーへ電気が移動します。両者に電圧の差があるからです。
サブバッテリーの充電方法1:走行充電
鉛ディープサイクルバッテリーが積んである車なら、必ずついている充電装置。(ついてないキャンピングカーは見たことありません)
仕組みのイメージはこんな感じです。
オルタネーター(発電機) → メインバッテリー → アイソレーター(走行充電器)→ サブバッテリー
つまり、メインバッテリーから電気をもらっていることになります。さっきのバッテリー充電の基礎を思い出して欲しいのですが、電気は電圧の高い方から低い方へ移動します。
つまり、メインバッテリーの電圧がサブバッテリーより高い時にのみ充電されるということです。
メインバッテリーの電圧は常に変動しています。電圧のかかり具合に波があるので、充電速度は他の方法に比べて遅くなります。
サブバッテリーの残量が多ければ、メインバッテリーとの電圧差が少なくなるので、電気はほんの少しずつしかはいりません。
最近の車は燃費向上のために無駄な充電をしないように制御されているので尚更です。
加えて、アイソレーターを通すことで電圧が0.5V程は低下します。
だから「走行充電ではサブバッテリーが8割ほどしか充電できない」なんて言われるんですね。
長く走りさえすれば、12.8Vくらいまでは充電できます。実用上、満充電と言っていい電圧です。(一部のマニアはこれで満充電とすることを納得しませんが・・・)
サブバッテリーの充電方法2:外部充電
走行充電の次にメジャーな充電方法です。キャンピングカーの外部に端子がついていて、家庭用の100Vのコンセントにつないで充電します。
基本的に14.4Vで充電するので、マニアも納得の満充電になるかと思いきやそう簡単にはいきません。
サブバッテリーへの充電速度が落ちてくるのを検知すると、バッテリー保護のため維持電圧の13.4Vにまで電圧を落とします。
終盤は特にじわじわ、パンパンになるまでは充電しない制御になっているんです。
なので、理論的には100Ahのバッテリーを残量ゼロから10時間で満充電できても(10Aで充電)、24時間くらいはコンセントにつないでおかないと満充電にはなりません。
サブバッテリー2本なら、2〜3日つなぎぱなっしにしてくださいとするキャンピングカービルダーが多いです。
もちろん、搭載する設備によって違いはあるので、詳細は各ビルダーに確認してください。
ちなみに大半の製品は外部電源をつなぐとサブバッテリーを介さない制御(コンセント直結)になるので、バッテリー保護の面でも機会があれば積極的に利用すべきです。
サブバッテリーの充電方法3:ソーラー充電
キャンピングカーの屋根にソーラーパネルを設置する充電方法です。投資金額が大きくなる分、バッテリーが最も長持ちします。
屋外にさえ駐車しておけば、基本いつでも満充電が維持できるからです。
それも、マニアも納得のバッテリーが最も長持ちするであろう理想の満充電です。
サブバッテリーの電圧をソーラー充電のコントローラーが監視し、満タンになるまで0.3Vほど高い電圧をかけつづけます。
つまり、13.4Vを突破しても細かく制御しながら14.4V越えまで充電ができるのです。
その後、ゆっくり電圧を下げながら、フロート充電という自然放電のあった分だけちょっとずつ充電するモードに切り替わり、満充電を維持します。
細かい制御はマニア向けの話ですが、いつでも満充電というのは誰にとっても嬉しいですね。
サブバッテリーの充電方法4:高度な充電システム
CTEK(シーテック)やNUTSのエボリューション・エボライト、バンテックのデュアルソースエアコンシステムなど、高度な充電システムがありますが、すごく大雑把に言ってしまえば充電速度を早めたり、細かい制御でバッテリーを満充電にしたり、保護したり、使用するシーンによって電気の経路を変えて効率化したりする仕組みです。
どれもあるに越したことはありませんが設置には費用がかかります。
必要かどうかはゆっくり検討しましょう。今回お話ししたサブバッテリーの知識があると、その性能が評価しやすいと思いますよ。
どうでしょう?
なるべく専門用語を出さずに説明しましたが、サブバッテリーのことわかりましたか?
お役に立てていればうれしいです!
enjoy!
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